「夢は時間を裏切らない 時間も夢を決して裏切らない」って歌詞を巡り、槇原敬之と松本零士で争ったことがあった(平成大事件簿その1)
2018年のM-1グランプリが開催されていた時間、僕は新宿の映画館で、桑田佳祐 Act Against AIDS 2018「平成三十年度! 第三回ひとり紅白歌合戦」ライブ・ビューイングを鑑賞していた。
こちらのサイトにしっかりしたレポートが載っている。仕事とはいえ、こういうレポートをちゃんと書けるのって大したものだなあと感心しながら読んでしまった。
西城秀樹「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」からの、さくらももこ作詞の「100万年の幸せ!!」のつなぎでは僕も大方の人と同様に泣いた。こんなの泣かない奴はいないよ。両曲が発する陽性のヴァイブスが近いせいなのか、まるで一つの曲のようですら思えた。まさかこのような形で三者(西城秀樹、さくらももこ、桑田佳祐がつながるなんてどこの誰が予想できただろう。
全国民が涙する感動の演出の直後、唯一の洋楽からの選挙となった、カミラ・カベロ「Havana」のど下ネタカバーにもしびれた。
ラジオでもかけていたし、かなり好きだったんだろう。
比較的前半に演奏された弘田三枝子「人形の家」は圧巻の演奏だった。僕にとって弘田三枝子はロネッツ「ビー・マイ・ベイビー」のカバーをする人であり、「人形の家」については、聞いたことはあるが、特に心に残る曲ではなかったと記憶している。
今回のライブであらためて聞いたところ、あまりにも桑田佳祐「東京」に似ていたので、『ああ、「東京」の元ネタは「人形の家」だったのか」とそのときは合点がいき、帰途に着く際、AppleMusicにて早速原曲を聞いてみた。確かにルーツめいたものを感じなくも無いが、やはり全然違っていて、過去に僕が受けた印象と同じでピンとくるものが感じられなかった。
何が言いたいかと言うと、バンドのアレンジが、一回のライブのために完全に桑田佳祐歌唱仕様に作り直しているということだ。しかも1曲や2曲というレベルでは無い。数十曲というレベルで、桑田佳祐の新曲が作り出されているのと同然のことが行われているのである。1回のライブ(実際には3回公演しているが)のために注ぐ労力がただ事では無いのだ。
天才も奇才も大御所も大物も秋元康も勝谷誠彦も、ひとかどの人達は皆、やることの量とスピードが半端じゃない。というよりちょっと狂っている。
他人から認めてもらえない、まっとうな評価を受けていない、と不満を抱えている人がいるとならば、もう一度自身の努力、労力の量は十分か、これ以上どうすることもできない状態まで頑張っているのか問い直した方が良いだろう(自戒の念を込めて)。
と、ここまで書いたところで、幻冬舎の見城社長が「秋元康の努力の量が~うんぬん」と偉そうな講釈をTwitterに書いていた。しかも、ブラックな働き方を擁護するような発言とも解釈されて、軽く炎上していた。確かに、考え方としては古臭いよね。見城社長とか嫌だし。
脱線してしまったが、桑田佳祐って凄いミュージシャンなんだよっていう、みんな知っている情報を書いてみただけのこと。
最後はひらがなけやき1stアルバム『走り出す瞬間』の感想をしぶとく書いていくぞ。
No12「線香花火が消えるまで」
歌唱メンバー:金村美玖、富田鈴花、松田好花
歌詞の世界観も70年代フォークの流れをそのまんま汲んだような楽曲で、秋元先生の得意なラインの一つであろう。じゃあ70年代にこういう曲があったかというと、無い。楽曲の雰囲気にアンマッチなテンポの速さに驚く。
作曲者の名前を聞いたことが無かったので、調べてみると、多くの楽曲提供はしているが大ヒットシングルを作るというより、アルバムのアクセントとしての小品を作ることに定評があるタイプと見受けられる。
48グループファンとしては、NMB48の超絶名曲『奥歯』を作曲した偉人であるということだけは覚えておかなければならない。