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ポップソング、UN.a、「COLOR」

 

UN.a(呼称:ユーエヌエー)の活動が活発になってきた。6月に連続リリース企画の第一弾として「COLOR」を発表し、7/11には第二弾「Melt in Dimensions(feat.ermhoi)がリリースされた。

UN.aの基本的な紹介は以下のサイトに譲ることとして、今回は連続リリース第一弾の「COLOR」の感想を中心に書いておきたい。

 

purre-goohn.com

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UN.aのような音楽は、普通のポップスやロックを聴くだけ、という人からすると「ちょっと小難しい」「お洒落な雰囲気」止まりになってしまうことが多い。かくいう僕も、前作「intersecting」に対してはそういう印象を少なからず抱いていた。


しかし、今作「COLOR」は明らかに前作とは方向を変えてきたことが、一聴して明確である。男性ボーカルを前面に押し出し、日本語の歌詞ははっきりと聞き取れる。何より普通にサビが口ずさめるというのはかなり大きな変化だと思う。

 

「COLOR」は、全編に渡って、ピアノが印象に残る曲だ。とにかく弾きまくる。こういうアレンジはもしかしたらこの手のジャンルにおいては少々下品にすら聞こえるのかも知れない。しかし、僕のように電子音楽に不得手な者にとっては曲を掴む上での取っ掛かりとすることができたのは事実である。


ピアノとサックスの優れた奏者でもある二人は、音楽家としての基礎体力が高い。電子音楽だろうが、弾き語りだろうが、結局のところ良い曲を作り、良い演奏ができる人が残る。本作は、ピアノと、サックスと唄だけでライブをしても十分に成立するし、聴く人によってはその方が良いとすら感じるのではないだろうか。

 

最後に、蛇足となるかも知れないが、妄想めいたことを付け加えさせてもらいたい。

僕が「COLOR」を初めて聞いた時の感想は、サザンオールスターズの1983年のシングル「EMANON」のようであるというものだった。「EMANON」は、桑田佳祐が当時流行していたフュージョンなどに影響され、覚えたてのジャズっぽいコードを使ってみようということから作られた楽曲である。サザン史の中でも最もわかりづらい部類の異色の1曲である。少し閉塞感のある歌から展開が進み、苦味を残しつつも、サビに入った時の開放感は、UN.a「COLOR」もサザンの「EMANON」もさほど違いは無い。


そう言えば、以前にもUN.aの未発表(多分)の曲を聞いたときに、サザンの「祭りはラッパッパ」という曲みたいだなという印象を受けたことがある。

これは特にUN.aがサザンに近いなどということを言いたいわけではないが、どこか80年代のポップスのような懐かしさをUN.aの曲から感じることが出来たことに意外な喜びを感じたのだ。

しかし、当時のサザンにあったような新しい技術を導入することに喜びを覚えるような無邪気さがUN.aの音楽には無いと感じた。誰にも遠慮はいらないので、彼らにはもっと無邪気に無茶苦茶な音楽を作って欲しいと僕は願っている。

 

 

この記事を読んだ方は、YOUTUBEのMVで一度、音源だけでさらにもう一度、どちらもヘッドフォンを付け、大音量でこの美しい曲を味わってみて欲しい。

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